睡眠を理解する:サイクル、質、おすすめ
睡眠を理解する:サイクル、質、おすすめ
睡眠とは、身体と心が休息し、筋肉の活動、周囲との関わり、刺激への反応能力が低下する繰り返しの状態を指します。刺激に反応する能力は、睡眠と覚醒状態を区別する要素の一つです。本ページでは、主に人間の睡眠について解説します。
睡眠サイクル
睡眠サイクルは、ノンREM(急速眼球運動)睡眠とREM睡眠の間を行き来することと定義できます。これらについては以下で説明します。
睡眠のタイミングは主に体内時計(サーカディアンリズム)からのホルモン信号に基づいています。体内時計は、外部の信号(昼夜など)に対応した規則的なリズムを示し、これらの信号が突然消えても持続します。例えば、時差ボケは、長距離移動によって体内リズムが乱れ、現地時間に適応できず、眠気や覚醒感に影響を与えます。
理想的には、個人の睡眠サイクルは体内時計に従いますが、光、社会的なタイミング(他人が起きている時間、仕事の時間など)、昼寝、遺伝など、さまざまな要因で影響を受けます。
REM睡眠とノンREM睡眠
睡眠中、特にノンREM睡眠中は、脳は覚醒時よりもはるかに少ないエネルギーを消費します。REM睡眠は、名前の由来である眼球運動、身体のほぼ完全な麻痺、夢の発生など、いくつかの特徴を持つ睡眠段階です。ノンREM睡眠とREM睡眠は大きく異なる2つのカテゴリーです。
通常、身体は平均90分ごとにノンREM睡眠とREM睡眠を交互に繰り返し、良い睡眠では4~6回このサイクルが発生します。ノンREM睡眠が始まり、やがて徐波睡眠(深い睡眠)に移行します。この間、体温と心拍数が下がり、脳はエネルギー消費を大幅に減らし、アデノシン三リン酸(ATP)の供給を回復します。徐波睡眠中には成長ホルモンも分泌され、これは人間の発達に特に重要です。
REM睡眠は通常、睡眠時間全体の中で割合が小さく、夢や悪夢が発生する時間として知られています。REM睡眠の不足は、不安、イライラ、幻覚、集中力の低下を引き起こすことがあります。REM睡眠が不足すると、次の睡眠でREM睡眠に入ろうとする回数や時間が増加することが研究で示されています。これをREMリバウンドと呼び、REM睡眠が身体に必要であるという考えと一致します。REM睡眠、その効果や必要性はまだ完全には解明されていませんが、一般的には重要で必要な側面と考えられています。ただし、場合によってはREM睡眠の不足が一時的に良い影響を与えることもあります。
睡眠の質
睡眠の質は、寝つきやすさ、眠り続けやすさ、一晩に何度目覚めるかなどで測定できます。また、起床時にどれだけ休息感があるかという主観的な評価でも測定されます。
睡眠の質が悪いと、睡眠サイクルや各段階の移行が乱れます。良い睡眠の質を得るには、睡眠の必要性とサーカディアン要素のバランスが重要です。理想的には、メラトニン濃度の最大値と深部体温の最小値が、睡眠エピソードの中間以降、起床前に現れるべきです。
どれくらい寝ればいいの?
睡眠はまだ完全には解明されておらず、必要な睡眠時間は年齢などの指標や個人差によって大きく異なります。十分な睡眠をとっていれば、日中の眠気や機能障害は起こらないはずです。
一般的に、研究者は1晩6~7時間の睡眠が多くの健康上の良い結果と関連していることを発見していますが、他にも多くの要因が影響します。
年齢を重ねると睡眠時間は短くなり、新生児は大人よりもはるかに長く眠ります。この差は年齢とともに縮まり、5歳頃からは大人と同じくらいの睡眠が必要になります。
以下は、年齢別の推奨睡眠時間に関するCDCのガイドラインです:
年齢層 | 1日に推奨される睡眠時間 |
---|---|
0~3ヶ月 | 14~17時間 |
4~12ヶ月 | 24時間あたり12~16時間(昼寝含む) |
1~2歳 | 24時間あたり11~14時間(昼寝含む) |
3~5歳 | 24時間あたり10~13時間(昼寝含む) |
6~12歳 | 24時間あたり9~12時間 |
13~18歳 | 24時間あたり8~10時間 |
18~60歳 | 1晩7時間以上 |
61~64歳 | 7~9時間 |
65歳以上 | 7~8時間 |
注: 睡眠の必要量は個人差があります。上記は一般的なガイドラインであり、十分に休息を感じるために必要な睡眠時間は人によって異なる場合があります。